mikutterの最新の情報は、mikutter blogに引っ越しました。

2012年8月11日土曜日

OSC Kansai 2012に行ってきた

先日の告知にもあったように、OSCにmikutterブースを出展させていただきました。個人的にまとめてみます。

1 準備

ブース自体は普段使っているmikutterの展示をするということで、あまり準備はしなかったけど、私の持っているノートパソコンがMBAだけなので、標準のMac OS Xでは動作しません。 そこで、Ubuntu Linux 12.04をインストールしてmikutterをセットアップし、展示を行うことにしました。 mikutterのセットアップ自体は本番2週間前くらいになってセットアップ。セミナー用開発環境も込みで、朝起きてから開始して昼くらいには終わってました。いやぁ楽になったものだ。 当日ブースを手伝ってくれたぺんぎんさん(@penguin数字四桁(忘れた))は、多忙なスケジュールの合間を縫って参加してくれて、Gentoo Linux上で動いているmikutterを展示してくれました。
また、Android用Twitterクライアント、ShootingStarの多分マスコットキャラクターであるイプシロンマンのTシャツを、私の務める会社のデザイナーに協力してもらい作成し、当日着用して参加しました。結果、作者にふぁぼ爆撃されました。 殺伐としたOSCにmikutterブースが!!!

_人人人人人人人_
> (´へεへ`*) <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

2 前日

OSCは3日と4日に開催されていますが、mikutterの参加は4日だけでした。私も仕事が大詰めで、下手をすると参加できないということもありえたので、前々から仕事を片付けておき、金曜日は午後からはほとんど会社にはおらず、会場の下見等をしていました。 で、15時くらいに会場に行ったら、すでにタペストリーやグッズがセッティングされているし、ぺんぎんさんがブースでmikutterの展示をしているし、お客さんもぽつぽつ来るし、事実上mikutterブースやってる。いいのかこれ。 私はmikutterブースで翌日のためにmikutter0.2のデバッグをしてました。

3 当日

3.1 開始

OSC開始が10:00なんですが。5分前くらいに「ておくれた人たち」(私のことを「ておくれである」と言い、定義も曖昧なまま言葉だけをひとり歩きさせ、手遅れにさせる人たちのこと)がぞろぞろとやってきてブースを囲み、肉まんを開けるというハプニングがあったけどなんとか予定通り開始。

3.2 展示内容

ブースでは、以下のグッズを配りました。
  • mikutterシール(円形) @okano_t さんから
  • mikutterシール(エンブレム・okanoさんから横流しらしい・笑) @uwabami さんから
  • mikutterシール(縦長) @tsutsuii さんから
  • mikutterちゃんブロマイド @brsywe さんから
  • mikutterタオル @okano_t さんから
  • mikutterマグカップ(mikutterの薄い本vol2執筆者のみ) @tsutsuii さんから
  • mikutterの薄い本vol2「すごいmikutterたのしくておくれよう!」 @brsywe さんから タイトル自重
多い。ほんとうに多い。どうしてこうなった。多すぎて書き忘れてるのあるんじゃないか。大丈夫か。 グッズだけじゃなくて展示も紹介しておかないといけません。
  • ubuntu 12.04でのmikutter 0.2(開発中)の展示
  • Gentoo Linuxでのmikutter 0.1.1の展示
これではグッズ売り場か展示してるのかよくわからない。しかも私は全く何も用意していない(mikutterの薄い本には寄稿したが)。いいのかこれ。

3.3 お客さん

当日はかなりたくさんのお客さんが来てくれました。不慣れなことも手伝ってとても慌ただしくて周りをよく見てなかったけど、聞くところによると初参加ということもあってか相対的に人気のブースだったようで、ありがたい限りだ。

3.3.1 janetterの人

Windows/Mac用のTwitterクライアント、janetterの中の人が絡んでくれた。まさかjanetterのような有名なTwitterクライアントの中の人に捕捉されていた上に、前日は同じTシャツを着ていて、mikutterのREADMEから無断リンクしていることもバレていたとは。jane氏〜相互リンク(死語)してくだされ〜。
そういえば母校の先輩だったということもわかった。janetterはリリース当初からたまに追いかけていたが、これで気兼ねなく機能をパクることができるようになった。 あの学校、(不本意だが)やばいとされているTwitterクライアント開発者二人も排出してるのか、恐ろしいな。

3.3.2 Archの人

私が現在mikutterの開発にも使っているArch Linuxでmikutterのメンテナンスをされている方と初めて会うことができました。関西でも結構いろんな人に会えるものですね。 あと別の人からですがArch Linuxの缶バッジをもらいました。これはArch(ry

3.3.3 遠方から

わざわざ、mikutterが出展するから来京予定を前後させてOSCに参加してくれた人が何人かいた。嬉しいですね。

3.3.4 通りすがりにエナジードリンクをくれる人

エナジードリンクはたまに飲むけど、立て続けに二本のんだのは初めてで、カフェインの取り過ぎか、とても気分が悪くなって、死ぬかと思った。それともちゃんぽんしたのが悪かったのかな。 飲み過ぎには注意しよう。

3.3.5 通りすがりにGentooTシャツを売ってる人

ブース出せよwww

3.3.6 通りすがりにふぁぼってくる人

家でやれ

3.4 セミナー

当日は、13:00からセミナー「mikutterをあなた色に染める」を開催した。 講義内容相当の記事は開発日記に掲載する予定だけど、資料はアップするとまずいものがかなり含まれているので大人の事情で非公開で。 めったにプレゼンしないのに、展示会場の前のステージでやらされた。どう考えても運営にマークされている。どうせネタ枠だし前でやらしといたらええやろといったところだろうか。そうだよ。

3.4.1 mikutter 0.2

mikutter0.2から大幅にカスタマイズの幅が広がるので、それを紹介させてもらいました。 このブログでも当然そのことについては後に詳細に解説した記事を書く予定です。0.2のエッセンスを伝えられてよかった。ただ今回は、内部の話が主だったため、プラグインを開発するつもりのない人にはピンと来ない話だったかもしれません。 一方、本来対象としていた人たちには、一定の反響がありました。もう少しまともに動くようになったらブランチを切って公開したいと思う(あんまり溜めるの良くないと思ってるし)。

3.4.2 ライブコーディング(プラグイン作成デモ)

mikutterプラグインを作るライブコーディングを行いました。推定30人以上が見てる前でコードを書くという極めて過酷な状況下でも書けるくらいプラグイン簡単だよというのをアッピルするつもりで、同じコードをちゃんと再現できるように10回以上同じプラグインを書く練習をするというなかなかない経験をしました。でも入念に練習しすぎて、前日に書いたコードの設定が残っていて、へんなやつにカラーラベルがついたりして本番でテンパってしまった。料理番組メソッドがあって本当に良かった。

今まで、ustreamで画面を配信しながらコードを書いたことは何度かあったけど、あれだけ多くの人が注目する中でコードを書くのは初めて。さすがに緊張するかと思ったけど、ちゃんと準備していたので思った程でもなかった。

ライブコーディングで伝えたかったことは、私がmikutterプラグインを作るときにどういう環境でコードを書いているかということです。mikutterの薄い本vol.2に私が寄稿した内容をフル活用してました。 同等の環境は、mikutter0.1.1でも、私が公開しているコードや、他の有名なelispをインストールするだけで実現できます。ぜひお試しあれ。

3.4.3 笑い

10回取ることが目標だったけど、それくらいはいけたと思う。練習した甲斐があった。

3.4.4 人

他のアトリウムでのセミナーの雰囲気から、2/3くらい来ればと思っていたが、フタを開けるとはるかに多くの人が来て、スタッフが椅子を追加してもまだ立ち見が出るほどでした。だれがこんなこと予想できただろう。運営にも、人多すぎワロタとか言われていたようだし。 今回は、mikutterプラグインにある程度興味が有るか知っている人が対象で、あまり人が入るたぐいのセミナーではなかったんだけど。

3.4.5 ふぁぼ爆撃

ふぁぼ魔たちが、セミナー中に示し合わせてふぁぼ爆撃をする計画をしていたようで、数日前からほとんどふぁぼられなくなり、本番が始まった時に未曾有のふぁぼ爆撃を受けた。 あとでfavstarで調べたところ、40分のセミナー中に2万ふぁぼされたことがわかりました。これは1秒に8favのペースで、過去に受けた最大のふぁぼ爆撃、20分4000ふぁぼ(1秒3fav)を遥かに超える規模・長さ。爆撃を受けている間はmikutterの動作に難があり若干セミナーに支障をきたしたものの、爆撃が終わったらいつもどおり動作しており、毎秒8ふぁぼにも耐えられることが証明できました。 依然として爆撃を受けている最中の挙動に課題は残るものの、今回のところは大成功と言って良いでしょう。

4 経緯

思い返せば、ステッカーが作られ、東京ではユーザ会が行われ、同人誌まで出すなど、かなりいろんなことに手を出しています。だから「mikutter」をよく知っている人の感想は、「今度はOSCか」といったところだったかと思います。 しかし「私」をよく知る人の中には、今回のOSC参加に違和感を持ったというか、驚いていた人がいて、何度かそのことについて聞かれたので良い機会だからまとめておきます。 今までのそういったアクティビティと今回では、(私にとっては)決定的な違いが一つありました。それは、初めて私が主導したということです。

今まで私がmikutterに関して行ったことは、コード自体へのコミットとリリース作業くらいなものでした。 リリースも、私はWebサイトを作ってtarボールを置くだけで、各種OS/ディストリでのインストール方法をブログにまとめたり、パッケージを再配布していただいているのは全て別の人です。 当然、イベントやグッズの企画、運営、頒布も全て私以外の人が主導しています(支援することはあったが、私が言い出したわけではないし、主導権を奪うようなことはしなかった)。

もともと、mikutterは私のために開発されました。 今まで私が書いたコードは、しばしば他人のためにデザインされていました。それというのはより多くの人に使ってもらう意図があったのですが、製作過程はつまらないから出来も悪く、尽く失敗していました。 あるときその過ちに気がついて、私は自分が書いていて楽しいコードだけを書いたほうがいいのではないかと考え、楽しければ実用できないコードでも書くようになりました。 そのアウトプットの趣向が大きく変わるきっかけになったのがTwitterとの出会いです。そう、気に入るTwitterクライアントがなかったから、作ろうと思い立ったわけです。その時決めたことが2つあって、今も概ね貫いています。
  • 楽しくなくなったらやめる。そうなったら続ける価値がないから
  • 自分のために。そのほうが良い物ができるだろうし、この考えが間違っているならmikutterは誰にも見向きされないだろう
だから、パッケージを提供するようなこともしなかったし(面白くない)、機能の要望も自分がやりたいと思わないと聞かないし(これはDMなど、何度かミスを犯して痛い目にあった)、グッズも作りませんでした(面倒以前に、そもそも思いつかないw)。 人のことを考えて作ったソフトウェアが全く日の目を見ないのに、私のわがままを体現したものが広く受け入れられる。よく聞くような話ですが、なんとも皮肉というか、不思議ですよね。

いままでこのようなイベントを見送ってきたのは、私が面倒くさがり屋だからです。準備が大変なのはわかりきっています。それでも今回私を参加させるに至った動機が2つありました。
  • 楽しそうだった。せっかくだし一度くらい、自分のソフトウェアを持って参加とかしてみてもいいんじゃないか
  • 一度みんなを見てみたかった
各種企画をしてくださること自体は非常にありがたいですが、やってる本人たちは大変そうだけどとても楽しそうで、開発者という立場を利用して今回私も楽しんでやろうと思いました。 2つ目は説明がとてもむずかしいし、理解されないかもしれないけれど、私が上記のような経歴を持っているから、mikutterに興味を持ってくれる人がどんな人なのか純粋に興味がありました。 もちろんそういう人たちには感謝もしていますが、べつに一人ひとりにお礼を言いたいというわけではなく、何を伝えたいというわけでもなく、かといってただの好奇心だけでもない。一度一緒に飲んでみたいという感覚に一番近いかもしれません。 そこで、mikutterを使っているような人が集まるであろうOSCという場に目をつけて、今回出展を決意するに至ったわけです。

そんなわけで今回のOSCへのブース出展、セミナーの開催は、二年半を超えるmikutterの歴史の中で、初めて私が企画し、私の主導のもとで運営されました。皆さんが楽しかったといっても、私のそれには遠くおよばないでしょうが、少しでも何か持って帰ったもらえたなら(物理的、論理的に)嬉しいです。

mikutterを使ってくれてる皆さん、来て下さった皆さん、サポートして下さった皆さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。そのうち飲みましょう。もちろんおごってくださいね。

5 今後

クーラー壊れたので死ぬ前に0.2をブランチに置いておきたいです。あとはたのんだ