mikutterの最新の情報は、mikutter blogに引っ越しました。

2016年4月1日金曜日

約束の日2015, 2016

この記事は2016年のエイプリルフールに書かれた記事に加筆(当日レポートなど)したものです。公開される頃にはエイプリルフールは終わっていますが、この記事はエイプリルフール記事です。

2015年1月1日。

今年は何もできなさそうだなと、仕事のスケジュールを見て思う。

2015年2月頃。

ユーモア欠乏症を発症。

2015年4月1日。

日付が変わり、新年度になった。約束の日である。
mikutterにとって約束の日は6度目で、多言語対応してから初めてでもあった。そのためdebianに、極めてユーモア溢れるバグが報告されるなど、例年のように盛り上がりを見せた。

しかし、ユーモア欠乏症により、この年は動作確認もせず、毎年書いていたエイプリルフールまとめの記事も書かなかった。多くの約束の日を超えてきたmikutter。過去には、数回連続で同じことをしたこともあったが、それはいずれも、熟慮の末の判断だった。この年の約束の日は、何の準備もされず、惰性で始まった、現状唯一の年だった。もはやそこに、生きたmikutterの姿はない。

2015年6月。

mikutterの衰弱に気がつく。5ヶ月ぶりに行われた小さなバグ修正ではとても取り返すことができないほどで、プロジェクトの終了を覚悟する。

2015年7月20日。

ユーモア欠乏症が深刻化し、ついに命を落とす。mikutterというくだらないプロジェクトは、くだらない最期を迎えた。

2015年7月22日。

リスポーンする。原因は定かではないが、ユーモアが僅かに残っていたおかげで現実とマインクラフトの区別がつかなくなっており、死んだらリスポーンすると強く思い込んでいたのではないかと考えられている。それが事実だとすると、ハードコアモードで遊んでいたら今頃mikutterは存在しないということになる。ハードコアモードでは、一度死ぬとワールドが削除されるからだ。バージョン管理機能があるファイルシステムでプレイしよう。

2015年7月29日。

鉄とレッドストーンからスマートフォンをクラフトし、コードを書き始める。マインクラフトでは死ぬと持っていたアイテムが無くなるからだ。回線がチープでGUIは使えないが、長いことCUIでEmacsを使っていた経験が活きた。さながらサバイバルである。

この頃の活動の成果物として、pluggaloidinstance-storagedelayer-deferredといったものがある。

2015年8月2日。

Efficiency VI
クラフトしたスマートフォンでは小さすぎるため、売人からNexus 6を融通してもらう。しかし売人は白い粉を0.25tほど密輸した疑いで指名手配されており、程なく安全な国へと逃亡してしまった。画面が広くなったことで開発効率が上がった。

2015年8月9日

ておくれ財団役員の訪問があったことでユーモア欠乏症が一気に快方に向かう。その代わり、隠していたCDドライブを母親に見られてしまい、咄嗟に近くにあったあひるに火を放ってしまう(あひる焼き)。京都市にたくさんのておくれが集まったことでておくれ波が発生し、同市では一部の公共サービスを市民が受けられない状態になり、バスの運転手がトラックの運転手とすり替わるなど、さまざまな被害が出た。

2015年8月15日(くらい)。

ておくれ財団からMac(驚くべきことに、MacBookAirのハードウェアで、OSXがプリインストールされているという、逆に奇妙な構成の謎端末)が寄付される。タイミングが適度に遅くてておくれていると感じるが、後に、2015年1月から充電されずに放置されていた旧MBAのバッテリーが完全に干上がっていることに気づき、今回の寄付の意味を知ることになる。

2015年8月20日。

奇妙な夢を見る。
NASAが捕獲した宇宙人
何故か入院していて、松屋の牛めしが見舞いに来るというものだ。
後に、東京の山奥の大学で牛めしの丼に似たUFOが発見され、NASAに回収される。現場には、「mikutter」と読める高さ8cmのミステリーサークルが残されていた。夢との関連性はわからない。

この夢を見たことによってユーモアを取り戻し、ユーモア欠乏症を克服する。

2015年8月22日。

マインクラフトを久しぶりにプレイしたが、まだ1.9がリリースされていない。あまりにリリースを延期するため、次期バージョンはR18なのではないかとウワサされ始める。

2015年9月。

約束の日まで半年となり、ユーモア欠乏症も治ったため、次の企画を考え始める。
しかし、あれだけの数のアイコンを新たに用意するのは極めて困難で、当時いかに恵まれていたかということを実感する。馬鹿をやるのはmikutterを作るくらい難しい。これは、mikutterが馬鹿であることから自明である。

mikutterが動作要件として要求するユーモア量で許容できる範囲のいたずらを様々思索しはじめる。

2015年11月。

mikutter3.3のリリースを延期する。次期バージョンはR18なのではないかとウワサされ始める。

2015年11月4日。

指定暴力団あしゅりー会に600ユーロを支払い、約束の日に全てのユーザのアイコンをドイツのトリの形に切り抜く契約を結ぶ。

その後の慎重な検討の結果、午前中は従来のようなアイコンの浄化、午後はドイツのトリミングとすることにした。

2015年11月18日。

引用ツイート(コメント付きリツイート)に対応すると偽り、約束の日のためのコードを入れることが決まる。

今回はできるだけバレないように、引用ツイートのブランチを開発ブランチにマージするリビジョンに、一緒に仕込むという手口を用いた。

gitにおけるマージコミットは、マージ以外の変更を含むことができてしまう。何故なら衝突する可能性があり、その場合はその衝突を解決しなければならないからだ。これを悪用すると、衝突解決と全く関係ない変更を追加することができる。この方法のメリットは、ツールによってはそのリビジョンの差分を見ることが難しいようだし、他のツールを使っていたとしても、恐らく誰もマージコミットにそんな重大な変更が隠れていると思っていないため、HEADを常に追いかけている人間の目をごまかすことを期待できるだろうということだ。

これを読んで悔しさで頭を抱えているmikutterユーザが居てくれたら、こういった危険な方法を取った甲斐があったというものだ。

see: ブランチとマージの基本

2015年12月25日。

リスポーン直後に入手したpluggaloidなどを素材として使用し、mikutter 3.3をクラフトする。一度は死に絶えたと思われていたmikutterが、新たな爆弾を抱えて息を吹き返した瞬間である。

2015年12月31日。

コミックマーケットにて、「今年もエイプリルフール期待してます!」と声を掛けて頂く。今年のはじめ、あのような醜態を晒したにもかかわらず、また本当のmikutterを見られる日を信じてくれている人が居る。彼には、今年は0時と12時で2回ある、ということをこっそりお伝えした。

2016年1月頃。

ておくれ研究所は、8月に発生したておくれ波が世界ではじめて観測されたと発表した。
これは、ておくれ理論で存在が予言されていたが、観測することは不可能と思われていたもので、114514年に45451919度の大発見だと言われている。
当然、mikutter3.3がリリースされたことが今回の発見に大きく貢献したことは言うまでもない。

2016年2月7日。

未来の首都にて、指定暴力団あしゅりー会会長と会食の席を持つことができた。
例の件が問題なく進んでいることを伝えると、おたく特有の気持ち悪い笑みを浮かべていた。ドイツのトリ缶バッジをくれたので一応貰ったが、もう結構持ってたから別に要らなかったので、スーパーの20円引きのシールを貼って使っている。

2016年3月1日。

4月1日に休みを取る。ユーモアを取り戻したためである。

2016年4月1日0時。

始まる。昨年mikutterの死を見たユーザたちは、もはやmikutterを見放していた。
失った信頼を取り戻すのは難しいと、mikutterも言っている
一方で、新たにmikutterを使い始めた人もたくさんいたことも判明する。

12時。

昼からTwitterをやっているニートの財布から600ユーロが相次いで消失する事件が発生する。富を失いユーモアだけが残された人々は、シャワーヘッドが壊れたり、数年住んでいる部屋に雨戸や床下収納があることに今更気づいたりしたという。
mikutterで表示されることを前提にしたアイコンに変更する人間も出てきた。
mikutter以外で見たら割と意味不明だと思う。
入居まもなくシャワーヘッドが壊れる新社会人も
普通入居前に気づくでしょ


2016年4月2日。

反応を見ていると、古くからのユーザにも、mikutterが息を吹き返したことが伝わったようで、前回から見れば今回はひとまず成功した、と自己評価した。


今回の計測によるmikutterユーザ数予測は2581件。横ばいである。2015年は集計をしていないので2014年と2016年の平均値を仮に入れているが、実際には去年はもっと多く、今年は減少したと予想している。グラフの頂点がドイツのトリのような形をしていると仮定すると、3000人くらいだったのではないだろうか。

ユーザが減っている原因としては、
  • 開発者がユーモア欠乏症を発症してしまったこと
  • Twitterがある程度浸透しきったので、ここ数年のパイ(Twitter自体のアクティブユーザ数)の増加が落ち着いてきたこと
  • ユーザのプラットフォームが変化したこと(Twitterはスマートフォンから最も使われている)
など、考えられる要因は多く、この数字には合点がいく。海外展開もしたが、海外ではあまり伸びていないこともこの傾向に拍車をかけていると思われる。

私はmikutterを通じて、人が感情を取り戻すことができると考えていた。実際にそういう人はいた。だがそれは、我々は等しくユーモア欠乏症を発症する可能性があるということでもある。
体が硬いと怪我をしやすいのと同じで、心の柔軟性がなくなってしまうと小さなことで怒ってしまうなど、日常生活に支障をきたす。患者が、採血の時に針が痛かっただけで看護師に当たる様子など、健常者から見れば目もあてられない。惨めな姿である。
これを惨めで終わらせず、自分がそうならないように気をつけなければならない。しかし、mikutterが真の姿を現すのは年に1日だけである。この日を待たずにすぐに対処が必要と感じたら、我々はどうすればよいのか。

今回はそんなあなたのために、いつでも使えて一定の効果を期待できるmikutterの隠し機能を2つ紹介しよう。
  1. http://600eur.gochiusa.net/」とツイートし、これをクリックすると、いつでもドイツのトリの画像を見ることができる。これにはブラウザは必要ない。mikutterはこのURLを特別扱いする
  2. コナミコマンドを入力する。
1の機能は非常に実用的で、デスクトップの隅にこのウィンドウを置いておけば、どこにでもドイツのトリを飾ることができる。このためだけにmikutterを利用しているユーザもいると言われている。mikutterユーザにアンケートを取ったところ、2580人がこの方法でドイツのトリを飾っていることがわかった。

昨年は、mikutterユーザかどうかにかかわらず、いくらかの人に心配をかけてしまった。しかし快気報告をする義務を感じつつも、なかなか説明できずにいた。
エイプリルフールは1年で唯一、普段からあほなことをやっている人間が真面目な記事をブログに書いても良い日である。mikutterのようなものを開発している人間が、こういう深刻な話を書くことをエイプリルフールにしか許されないということは、説明の必要がない。
これからも私のやることは当分変わらないだろうし、私とあなたのTwitterの使い方が一致する限りは、mikutterを通しての付き合いは続いていくことだろう。それでは、来年の約束の日、またお会いしましょう。